FM三重『ウィークエンドカフェ』2018年6月2日放送

今回のお客様は『榊原温泉振興協会』の事務局長、久保和生さん。
榊原の地名は、1500年ほど前、継体天皇(けいたいてんのう)の皇女「ささげ姫」が斎王になられたとき、この地に多く群生していた榊を伊勢神宮へ献上して使われるようになったことから「榊原」と呼ばれるようになりました。
いにしえから続く「湯ごりの地」榊原は、今でも多くの人々に愛されています。

宮参拝前の清めの湯

奈良時代から、伊勢神宮に参拝される方が、身を清める湯ごりの湯が榊原温泉。静かな湯の瀬川沿いの温泉地で、四季折々の豊かな自然を堪能していただけます。
江戸時代には『おかげ参り』として、たくさんの方が訪れてくださいまして、温泉の神様である『射山神社』の隣に、百室もある温泉施設がありました。
これは全国でも珍しかったそうです。
みなさんご存知かと思いますが、清少納言が枕草子の中で『湯は七栗の湯、有馬の湯、玉造の湯』と称賛している温泉のうち、『七栗の湯』が榊原温泉なんですね。
京都の方から、青山高原を越えたところで榊原温泉に入って、お伊勢参りするという、枕草子で謳われるくらい有名な温泉地でした。
鎌倉時代から室町時代にかけては『恋の病を湯で癒やす』ということで多くの歌人に謳われています。
『一志なる 七栗の湯も 君がため 恋しやまずと 聞けばものうし』との歌もあり、今も『恋の湯治場』としてPRしています。
旅をするときは良い旅も悪い旅もありますが、温泉に入ることで癒やされるというのは、今も昔も変わらないと思います。

 

ブル前は年間80万人の来客数

バブルまでの頃は年間80万人以上のお客さんがきました。
バブルが弾けた後は少なくなっていますが、半分の40万人くらいは来てもらっています。
榊原温泉は温泉街がなく、町並みがつながっていない、自然の中にある温泉です。
私ども振興会では良質な温泉を資源として、みなさまにリラックスしてもらえる空間を提供できるよう、里山の道を整備したり、主要道路沿いに歓迎の花を植えたりしています。
また、自然のホタルを見てもらったり、お雛様を見てもらうなど、恋の湯治場としてのイメージ作りをして、みなさんの楽しんでもらえるよう努力しております。

 

つの美しさアップを検証!

アルカリ単純泉で昔から美肌の湯として、清少納言にも『七栗の湯』と一番に挙げてもらった榊原温泉。
平成28年9月に、化学でそれを証明しようと、湯治モニターさんに来てもらい、入浴実験をしました。
その結果、嬉しいデータと声が届きました。
3泊4日の方、また3ヶ月通ってもらった方、みなさん肌がつるつるになったと。
腰痛も治ったなど、健康が回復したとの結果が出ました。
それを今後、PRしていかないとと思っています。
5つの効果として、染みやシワが増えるのを防ぐ皮膚の還元力アップ、頬の水分量アップ、血圧の低下、活性酸素の減少、酸化した身体の還元体質など。
温泉に入ると健康が回復されるということが、化学的に証明されたんですよ。

 

占い花火、射山神社は縁結びの神社

線香花火を恋人同士で点けてもらって、くっついたら恋が成就する。
そのままだったら、お互いの個性を尊重し合った、良いパートナーとなる。
射山神社の祭神、大己貴命は出雲の神様で縁結びの神として知られています。
福袋と小槌を持って姿を現したのが大黒さん。
射山神社に石像があり、右手の『恋こ槌』に触れて願いごとをすると縁が結ばれるとされています。
なので、線香花火の片方が落ちてしまった場合でも、小槌に触ったらOKです
まだ一人の方も、これから良縁がめぐってくることもありますよ。

温泉郷を流れる湯ノ瀬川沿いは、今、ゲンジボタルが飛び交っています。
初夏のひととき、榊原温泉でホタルを見て、ゆっくりお風呂に入っていただきたいと思っています。